BOYFRIEND ジョンミン、悩みの末に見つけたターニングポイント

悩みが多かった。果てない悩みに眠れない夜もたくさんあった。2011年、K-POP界に足を踏み出し、国内外を行き来しながら精力的に活動を繰り広げているグループ、BOYFRIENDのジョンミンは「23歳、盛んに悩む時だ」と言いながら笑う。眠れない夜が増える頃、ミュージカル「PESTE」に出会った。ただ面白そうだという思いで始めたが、稽古を重ねるほどに恐ろしくなった。公演前日は逃げだしたいほどのプレッシャーに耐えなければならなかった。初舞台を成功させた後、初めて歌と演技の楽しみを知った。

“幸せな瞬間を楽しみたい”と語るジョンミンは、歩んで来た道の心残りよりも、これから進む道の期待のほうがより大きいという。

―ミュージカルを始めた。挑戦したことのないジャンルだから、簡単ではなかっただろう。

ジョンミン:話す時や行動する時のちょっとしたクセが直った。姿勢などが変わった。立っている時に猫背だったり、人の目を見て話すのがぎこちなかったりしたけれど、今は変わった。舞台の上で台詞を言わなければならないから、目でも訴えなければならない(笑) 最初は難しかったが、今は自然になった。歩く時、リズムにのってるらしくて。知らないクセだったけど、そういうのを直した。

―姿勢を急に直そうとすると、体が痛くないか。

ジョンミン:最初は痛かった(笑) 猫背の状態でまっすぐに正しい姿勢をしようとすると、筋肉が痛かった。でももう慣れた。

―初挑戦でもあり、変えなければならないことが多くてストレスを受けたようだが。

ジョンミン:本当にたくさん悩んだ。でも少しずつしていくと、生活として溶け込んでいった。話す時も言葉を濁ごす方だったけど、今ははっきりとしゃべるようになった。自分にとても良い影響を及ぼしているようだ。

―姿勢を直した後には、歌と演技に対する負担があったと思うが。

ジョンミン:監督から「音だけ外さずに上手くやってほしい」と言われた。会う前は監督が気難しい方だと聞いていたが、実際はそうではなかった。音楽がソ・テジ先輩の曲なので、より大衆歌謡的な部分を生かして、練習しながらポイントを見つけてくださる。その部分は感情がオーバー過ぎる、その部分は淡泊に歌いなさい、という感じだ。練習は4月末から始めた。

―グループ生活は経験があるが、作品を作る俳優、スタッフたちと練習する時間はまた違う雰囲気だったと思う。

ジョンミン:無条件にまず距離を縮めようと努力した。チームで最年少なので雰囲気も盛り上げたし、愛嬌も振りまいた。先輩たちがすごく可愛がってくださった。感謝でいっぱいだ(笑)

―公演日が近づくほど、プレッシャーも大きくなったと思うが、どんな気持ちだったか。

ジョンミン:最初に練習に入る時は面白そうだと思った。一ヶ月が過ぎて、最初のランスルー(実際の公演のようにする練習)をするのだが、「大変な事になった」という思いだけだった。初公演の前日が一番ストレスがひどかった。逃げだしたかった。台詞はすべて合わせて、歌も覚えて、完璧にしたと思ったのに、まだ分からなかったのだから。

―初公演、忘れることができないだろう。

ジョンミン:ミュージカルは生放送で、僕一人のミスが作品に影響を及ぼすこともあるから、とてつもない緊張が押し寄せて来た。VIPデーではない初公演の時、間違いを一度してしまった。「私はあなたをいつも待っていました、いつもあなたを(ハンサンタンシヌル)見つめていました」という台詞で、とても悲しい場面だ。でも「ハンシンを(ハンシヌル)待っていました」と言ってしまった。その台詞がトラウマになり、いつも言う前に緊張する。

―大先輩であるソ・テジの音楽から作られた作品というのも新鮮だが。

ジョンミン:実は、だからやりたいと言った。ソ・テジ先輩に音楽的に憧れている。小さい頃、父の車でたくさん聴いた。姉や兄と年が離れているが、その影響のようだ。そして小学校の時、初めて「ウルトラマンだ」のアルバムを買った。今回のミュージカルのナンバーも本当に良かった。歌がまた編曲されて雰囲気が変わり、オーケストラ、バンド合奏が入るので、最高だ。

―「PESTE」で引き受けたグランと言う役に入るのは難しくなかったか。

ジョンミン:グランという人物はとても純粋だ。愛も、仕事も、純粋に取り組む。すべてに純粋な情熱を持っているキャラクターなのだが、自分に似ている面が多い。初々しいグランと言う人物をしっかり表現したい。台詞も飾らず、そのまま吐き出している。だから面白い。

―参考にした作品はあるか?

ジョンミン:映画「FLU 運命の36時間」を見た。「PESTE」が決まってから見た作品だ。状況を参考にしようと思って見た。「傷だらけのふたり」もだ。劇中のファン・ジョンミンがまるでグランと同じようだった。愛する女性の前でどうすれば良いかもわからない、愚かな姿、その思いが似ていると思い、注意深く見た。

―ミュージカルを始めてから今まで普通に見て来たドラマ、映画も軽く流し見しないようになったのではないか。

ジョンミン:細かく見る目が備わったと思う。以前はミュージカルを見ても「面白い」で終わっていたけど、ミュージカルに携わってから、本当に大変なことだということを知った。最近、ミュージカル 「モーツァルト!」を見たが、本当に感銘を受けた。いつかはやってみたいという気持ちになり、欲が生まれた。

―作品を準備する過程でどんな瞬間が最も面白いか。

ジョンミン:シナリオを読むのが楽しい。友達と周りで演技する人のシナリオを奪って読んでみたりする。シナリオを見る時は「僕にも出来そうなのに」という気がして、頭の中に絵が描かれる。

―演技にすっかりはまっているようだが。

ジョンミン:一つのことにはまると、抜け出せない性格だ。ミュージカルをする前は音楽作業に没頭していたし、作品をしながら少し疎かになっているが、むしろ今は公演に集中した方が良いと思う。「PESTE」に集中する分、学ぶことが多いだろうし、それ以降の音楽作業にも影響を及ぼすと思う。今はここに集中してもっとたくさん学び、次に取り出して使えるようにしたい。

―初公演を終えてからはどうだったか。妙な気持ちだったと思うが。

ジョンミン:初公演を終えてから、様々な感情が交差した。すっきりした感じもあったし、大きな間違いはなかったが、個人的に惜しい部分がたくさんあった。先輩たちが皆誉めてくれて、僕を見るたびに抱きついてくる先輩もいる。本当に大きな力になる。舞台に上がっても心強い。僕が台詞を少し変えても、先輩たちはすべて合わせてくれるという信頼がある。

―一緒に公演する先輩たちに対する尊敬の気持ちも大きくなるだろう。

ジョンミン:ランスルーをする時に感じた。僕と同じ役のジョ・ヒョンギュン兄さんからは本当にたくさん学んだ。食事する時もいつも一緒に食べて、何をしていても横にいる。練習室から出て家へ帰る瞬間までヒョンギュン兄さんと一緒にいる。ヒョンギュン兄さんには本当にたくさん学んだ。ミュージカルができるようにしてくれた方で、ヒョンギュン兄さんがいなかったら、うやむやになっていたかもしれない。

写真=(株)ソフトライト

―時には刺激にもなるだろう。

ジョンミン:僕も上手になりたいという思いはある。リハーサルをする時も他の俳優たちの動作と演技、動き一つ一つが目に入って来る。目に焼き付けて、自分のものにしようと思う。

―初めと比べて少しずつ余裕が出てきているのではないか。

ジョンミン:今日はどんな動作、どんな表情をしてみようといった準備をする。どのようにして違う感じにしてみるかということだが、台詞を言う時も次の台詞ではなく感情に対して考えることができるようになった。音楽も聞こえて相手俳優の台詞も聞こえて余裕が生まれたようだ。初めにはそうではなかった(笑)

―ミュージカルを始めて良かったのではないか。

ジョンミン:本当に良かった。悪い習慣もたくさん直したし、良いご縁に巡りあい、学んだことも多い。「PESTE」にこんな台詞が出てくる。「人生と言うのは、幸せではない瞬間もこんなに輝き、美しく、華やかだ。僕たちの人生は幸せでない瞬間はない」。その言葉を聞いて、今まで悪い考えをしながら暮してきたのではないかと思った。いつも欲張りだったし、足りなかったと思った。心配事や悩みの多かった23歳の夜が思い浮かんだ。

―悩みが多い時期に「PESTE」に出会った。ターニングポイントのような作品かも知れない。

ジョンミン:18歳でデビューした。あの頃は幼いことを知らなかった。十分大きくなったと思った(笑) 今振り返れば、あの頃の自分は惜しい部分が多い。これから混沌が来る。少年から大人になる過程のようだ。

―どんな悩みだったのか。

ジョンミン:僕の悩みはいつもBOYFRIENDに関することだ。いつもそこにポイントがある。良く出来た、出来なかったかではなく、幸せに活動することができるかという悩みだ。これからはどうすれば良い思い出を作ることができるかという思いだけだ。成功に盲目になり、走ってばかりいるよりも、笑いながら幸せに一日一日を送りたい。時が経ち、前よりもっとたくさんのことが見えて、難しいような気もする。「知らぬが仏」と言う大人の話は間違っていない(笑)

―将来の絵はどのように描いているか。

ジョンミン:人生を幸せに楽しみたい。だからと言って、欲を出さず、熱心にしないという訳ではない。ストレスを受けずに、周りの人々が僕たちと働く時、幸せだったら良いと思う。楽しく仕事をしていると、ある瞬間満足に値する成果も出すのではないか。一生音楽を続け、演技して歌うと思うが、走って、また歩きながら、周りも見回したい。メンバーのドンヒョンのミュージカルを見たら、「早く歩いて行こうと思うなら一人で行って、ゆっくり遅く行くつもりなら一緒に歩いて行こう。少し遅れても良いんだ」という内容があった。心に届いた。

―BOYFRIENDの活動はどのように行っていくか。

ジョンミン:日本アルバムを制作中だ。曲はたくさん書いてある状態だ。今は慎重にアルバムを出さなければならないと思う。大事なアルバムが一つずつ生まれるような思いだ。どんな音楽でカムバックしようか、方向性を捜している。準備する過程までもすべてが大切だ。

―ジョンミンにとって、BOYFRIENDはどのような意味を持つか。

ジョンミン:まさに「僕」だ。いつも言うのだが、メンバーたちは家族のようなものだ。家族以上の存在だと言わなければならない。仕事が遅く終わってご飯を食べるのに、一人で食べるのが嫌な時はいつもメンバーたちを探す。事務所から、もう別々に住みなさいと言われても、僕たちは共同生活が楽だからと一緒に暮している(笑) いなければ寂しくて、とても楽な存在だ。そんな意味がある。別の五人の兄弟を得たような感じだ。今メンバーたちは日本で休暇を楽しんでいるので、僕も作品が終わったら旅行に行くと思う(笑)

 記者 : キム・ハジン、写真 : チョ・ジュンウォン、翻訳:浅野わかな