ユン・ゲサン「『グッド・ワイフ』で長いスランプが終わった感じ…こんなに愛されるのは久しぶり」

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。

結果より過程に集中せよ。よく聞く言葉だ。しかしこれは容易なことではない。目に見える成果に執着し、揺れてしまうのが人間だ。特に俳優はこの結果から離れられない。作品を撮るときは毎回視聴率や話題性という成績表を渡される。作品ごとに再評価されたりもする。しかしユン・ゲサンはある瞬間から結果より過程を楽しむことを知った。勿論それだけ熾烈ではある。裁判所のあるシーンを撮るために100回以上練習する練習の虫だ。「100回練習しないと1シーンを撮ることができない」と笑ってみせる。

1999年、ボーイズグループgodのメンバーとしてデビューした。その後、2004年に「兄嫁は19歳」で演技を始めたユン・ゲサンは、すでにキャリア12年になる俳優だ。ドラマと映画で縦横無尽に活躍を広げている。大衆の愛を受ける時も、そして目を背けられる時もあった。しかし不振は一時だった。tvN「グッド・ワイフ」は彼にソ・ジュンウォンという人生のキャラクターとともに大衆の愛という恵みを与えた。結果より過程に集中し、大衆は彼に答えた。

―ソ・ジュンウォンのキャラクターで大きな愛を受けた。

ユン・ゲサン:大衆から愛された作品ができて幸せだった。長いスランプが終わった感じだ。昨年撮影したJTBC「ラスト」も良い作品だったが、こんなに大衆から関心と愛をもらうのは久しぶりだ。

―イ・テジュン役のユ・ジテは、最初ソ・ジュンウォンの役を希望していたと言っていた。

ユン・ゲサン:キャラクターがとても良かった。ドラマではなかなか見られない純粋な愛を見せる。だからといって優しいだけではない。両面的な姿に魅力を感じた。しかもチョン・ドヨンの男じゃないか。“ドライン(チョン・ドヨン側)”だったので幸せだった(笑) 視聴者が良い反応を見せてくれたので撮影現場の雰囲気も和気藹々としていた。

―オープンエンディング(結末は視聴者の想像に任せること)だった。キム・ヘギョン(チョン・ドヨン)がソ・ジュンウォンを選んだのかどうか曖昧だ。

ユン・ゲサン:僕はオープンエンディングの結末を望んでいた。キム・ヘギョンは家庭もあり子供もいるため、誰を選ぶかなど簡単ではなかったはずだ。撮影中、一度結末が変更になった。変更になる前は、不倫やドロドロのストーリーがあって、多少人目を気にするバージョンだった。今の結末は「グッド・ワイフ」のプライドを守りながらも一番賢明なようにも感じた。

―原作(米ドラマ)ではソ・ジュンウォンのキャラクターであるウィル・ガードナー(ジョシュ・チャールズ)は死ぬことになったが、それも予想をしていたか?

ユン・ゲサン:12話ぐらいに僕は死ぬのか、イ・ジョンホ監督に聞いてみた。出演料が決まっていたからか「君は死なない」と言われた(笑)

―ユン・ゲサンにとって「グッド・ワイフ」は印象に残る作品になったのではないか。

ユン・ゲサン:「グッド・ワイフ」は長い間待った結果だ。本当は耐え難かった。良いことがあれば悪いことも起きる。良くない気運を断ち切らないといけないのだが、それが思ったより簡単ではなかった。幸いにもこの作品を通してそれを断ち切れたようだ。

―スランプの話をしたが、辛かった時期、ユン・ゲサンを支えていた原動力は何だったのか?

ユン・ゲサン:やっぱり作品だ。妥協せずに最後まで作品をすることが僕自身を支えてくれていた。10月に映画「殺してあげる女(The Bacchus Lady)」が公開される。役はそれほど大きくはなかったが、自分で社会性の濃い作品に出演しようと決めていたことがある。僕が妥協しない部分だ。大衆的かどうかにかかわらず、休みなく演技を続けることが重要だ。そうすれば必ず運というのは回ってくるようだ。

―今後が重要なようだ。

ユン・ゲサン:そうだ。これから上手くやらなければならない。「グッド・ワイフ」は本当にターニングポイントになる作品だと言えるように。

―正直ソ・ジュンウォンというキャラクターは、序盤は存在感が微々たるものだった。

ユン・ゲサン:イ・テジュンとキム・ヘギョンの離婚、そしてキム・ヘギョンの復帰のストーリーが大きな流れだったので、ソ・ジュンウォンを目立たせ難かった。法律事務所の代表であり、キム・ヘギョンのアシスタントとして役割を見せなければならないシーンはそう多くなかった。バランスをとるのが大変だった。監督ともたくさん話し合った。ソ・ジュンウォンは僕が説明するより、周りの人物の言葉を通して伝えられる人物だった。ベールに包まれていた。目に見えるものが全てではないという感じを与えなければならなかった。もし悪どい言動を入れていたら、イ・テジュンとさほど変わらなかったはずだ。霧の中の人物のように見えたので、もう少し研究を重ねた。

―チョン・ドヨンとのキスシーンは話題を呼んだ。それ以降ユン・ゲサンはセクシーだと言う評価をたくさん受けた。

ユン・ゲサン:本来ソ・ジュンウォンは「君といたら良い人になりたくなる」と話した後にキム・ヘギョンにキスをする予定だったが、突然キスをしてセリフを言うことに変わった。だからもう少し何かが伝わったのを感じた。チョン・ドヨン先輩の提案で、皆変更したほうを好んだ。撮影の時、僕自身もワクワク感でいっぱいだった。しかし映像を見て、、一時期そこから這い出すことができなかった。キム・ヘギョンがソ・ジュンウォンとキスした後、イ・テジュンのところに行くではないか。キム・ヘギョンの気持ちが気になる。どんな気持ちだったのか今でも気になる。

―共演者と息は合ったか。

ユン・ゲサン:当然とても良かった。演技は伝授されるものと思っている。良い俳優と一緒に息を合わせれば、その俳優の良い点を受け継ぐようになり、発展していく。一人で演技の練習をがむしゃらにやったとしても発展はしない。経験者が教えてあげないといけないと思う。僕も「グッド・ワイフ」を通して成長を感じる。役者になり、後輩に上手く伝えてあげたい。チョン・ドヨン先輩、ユ・ジテ先輩、キム・ソヒョン先輩から学んだAFTERSCHOOLのナナは、どれほど成長しただろう? ナナは初めての作品からとてつもない授業を受けたのだ。しっかり乗り越え、耐え抜いた。今後さらに期待される。

―気になる。“ドライン”1位はユン・ゲサンだったのか。

ユン・ゲサン:ナナだったはずだ。ナナがチョン・ドヨン先輩の気持ちに完全に入っていった。実は“ドライン”1位を狙っている(笑) チョン・ドヨン先輩は最後まで面倒を見てくれる。チョン・ドヨンの男という言葉はまさに光栄だ。下心があるからでなく、チョン・ドヨン先輩は本当に人が良い。演技をすれば安定する。だからみんな「チョン・ドヨン、チョン・ドヨン」っていうんだなぁと思った。もう一度ご一緒してみたい。争いたくはない、同志としてだ。

―今後の計画が気になる。

ユン・ゲサン:「殺してあげる女(The Bacchus Lady)」が公開を控えている。良い映画なのでいっぱい宣伝しようと思う。ユン・ヨジョン先生が熱演した。老人の問題を扱っている。誰にでもあり得ることだと思う。また、これまで通り俳優たちと映画やドラマを撮りたい。「グッド・ワイフ」のようにチームワークが良ければそれに越したことはない。ちょっと肉もつけて体を労わってあげないといけない。ユ・ジテ先輩を見ると運動をたくさんしなきゃと思う。肩がね、本当に。羨ましかった(笑)

―考えてみたらユン・ゲサンは休まずに仕事をしてるようだ。仕事中毒だと思うか?

ユン・ゲサン:仕事が楽しい。演技が一番いい。とても幸せだ。ずっとやりたい。ある瞬間から結果より過程に集中している。ユン・ヨジョン先輩が「俳優は上手いときもあれば下手な時もある。偽りのない気持ちさえあればいい。急がなくてもいい」と助言して下さった。その忠告が心に響いた。今は本当に急いでいない。1回2回で終わる戦いではない。作品をするたびに、いつも再評価を受ける。今上手くいったからと安住しないで、継続的に自分の道を行かないといけないと思う。

―最後にユン・ゲサンにとって「グッド・ワイフ」とは?

ユン・ゲサン:渇望していたものを得た作品だ。今後、自分自身ももっと信じたい。一言でいうと強壮剤だ。10年耐えることができる山参(野生の高麗人参)のようなドラマだった。とても元気づけられた。感謝している。

 記者 : チョ・ヒョンジュ、写真 : チョ・ジュンウォン、翻訳 : 前田康代