ミュージックビデオ等級分類、一体誰のためのルールなのか?

ミュージックビデオ等級分類、一体誰のためのルールなのか?

写真=TENASIA

8月22日、5thミニアルバム「PANDORA」でカムバックしたKARAのミュージックビデオには、イントロの場面に3秒ほど放送局Mnetのロゴ、2012.8.21という日付とともに、“15”という数字が刻まれた。18日から行われたインターネットミュージックビデオの等級分類の規定による等級表示だった。「PANDORA」のミュージックビデオが公開されると、一部ではメンバーたちの脚と背中の露出を根拠に扇情的だという問題を提起し、21日Mnetは放送審議で「PANDORA」のミュージックビデオを15歳等級に決定した。そして、同日、MBC放送審議では同ミュージックビデオが“すべての年齢”等級で決定された。

放送局の審議を経たら、それによる視聴等級を表示する義務と放送時間が制約される。放送局の審議で“青少年観覧不可”の判定を受けたミュージックビデオは、一定の時間になると放送が制限される。しかし、インターネットミュージックビデオの等級分類は、3秒間審議等級が表示されるだけに留まる。「検閲ではなくサービス情報」という映像物等級委員会(以下映等委)の話は、表現の自由を害するという主張への反論だが、同時にインターネットミュージックビデオの等級分類の趣旨を欺く言葉でもある。ミュージックビデオに等級を表示するからといって、扇情的で暴力的な内容と場面が映るミュージックビデオのろ過になるわけではない。等級分類をしても、インターネットを通じて流通される音楽映像ファイル(ミュージックビデオ)が扇情・暴力的な内容と場面が入っていているにもかかわらず、青少年たちにろ過なしで露出されていて、等級分類を通じた青少年保護が自動的に行われていない。むしろ、現在YouTubeのセーフモードやポータルサイトの成人認証のようなシステム的なアプローチの方が、立法趣旨を達成するために役に立っている。

ひたすら“韓国”だけに適用されるおかしなルール

ミュージックビデオ等級分類、一体誰のためのルールなのか?

写真=TENASIA

このようにインターネットミュージックビデオの等級分類は効果が薄い反面、副作用は非常に大きい。映等委は「等級分類するのに3日しかかからない」と言うが、法定処理期限は14日だ。映等委が等級分類審査を行うために14日をかけても何の法的責任を問うことはできないが、14日が過ぎて等級審査が下される場合、速いスピードで音源が消費される現在の音源市場においてCDや音楽映像物の制作業者の損害は莫大である。大型企画会社が「すべての準備を整えているにもかかわらず、ミュージックビデオ審議のため活動ができなくなる状況もあり得る」と話した理由だ。

YouTubeなど海外インターネットサイトは法的処罰する根拠がない。しかし、YouTubeにミュージックビデオをアップロードする主体が韓国の音盤・音楽映像物の製作業者である場合は処罰対象になり、海外音盤・音楽映像物の製作業者がアップロードするミュージックビデオは処罰する根拠がない。例えば、KARAの韓国活動のミュージックビデオはCDや音楽映像物の製作業者が審議なく掲載する場合、2年以下の懲役と2千万ウォン以下の罰金を払わなければならないが、KARAの日本活動のミュージックビデオは何の審議もなくアップロードすることができる。こうした皮肉な状況は、既に韓国活動より海外活動に焦点を置いている大型アイドルにとって韓国での活動のメリットをもう一つ失うことになり、さらに音源市場が乏しくなる原因でもある。「所属歌手の海外活動を計画しているが、まだミュージックビデオの審議が終わっておらず、向こう側にミュージックビデオを送っていない」という、あるインディーズレーベルの言葉は、インターネットミュージックビデオの等級分類制度が韓国ミュージシャンの海外活動の進入にもう一つのハードルになり兼ねないということを意味する。

インターネットミュージックビデオの等級分類制度の大小様々なリスクについて映等委は「今後3ヶ月の示範運営期間中に関連業者と相談して修正していくつもり」だと言ったが、CDや音楽映像物の製作業者が最も懸念している期間と基準の問題は依然として残っている。映等委は14日の法定処理期間について「法的に期間を短縮する計画はない」と話し、放送局ごとにそれぞれ異なる審査結果については一定の基準やガイドラインの準備もなく「放送局間の懇談会を通じて基準を調整する」という抽象的な回答があっただけだ。表現の自由と青少年保護で火がついた制度に対し論争する前に、この制度が存在する理由である制度の効用について改めて考えなければならないのはそのためだ。
記者 : イ・ジイェ(インターン記者)