「人狼」カン・ドンウォン“アクションの代役が見つからず…すべて自分で演じている”

写真=ワーナー・ブラザース・コリア

カン・ドンウォンが生きていく世界は、スクリーンの中のようだ。特に最近5年間、1年に2作のペースで彼をスクリーンで見ている。彼よりもっと熱心な俳優がいるかと思うようなフィルモグラフィーは、感動を与えてくれる。キム・ジウン監督は、アニメーション「人狼」を実写化しながら、主人公イム・ジュンギョンを演じる俳優には、触れられないほどの非現実的なオーラが必要だと考えた。その答えはカン・ドンウォンだった。昨年夏から今春まで、なんと8ヶ月間イム・ジュンギョンとして過ごしたカン・ドンウォンに、ソウル三清洞(サムチョンドン)のカフェで話を聞いてみた。

――ハリウッド映画「津波LA」の撮影を控えてますが。

カン・ドンウォン:「人狼」の広報が終わったら、またアメリカに行って準備をしなくてはなりません。韓国俳優として恥ずかしくなく、立派にやり遂げなければいけないと思っています。撮影がだんだん近づいてきて、心配が多いです。初めて英語の先生についてもらってるのですが、ストレスが半端ないです。2時間授業をすると、何もできません。何の考えも浮かびません。脳がみんな燃え尽きて…(笑)。それからシナリオ会議、リハーサルもたくさんしています。英語で演技のレッスンも。英語もそうですが、文化に適応するのも大変です。人が生きている所はみんな全く同じだと思っていましたが、1つも全く同じではないですね。アメリカは良く言えば、ストレート。思っていることをその場ですぐ言う。韓国で同じようにストレートに話したら、ストレスを受けます。韓国文化とは違いますね。

――ホラー映画がとても好きだと聞きましたが、好きな作品は?

カン・ドンウォン:「キャビン(The Cabin in the Woods)」です。とても独特でした。初めて出てきた時「わぁ、これ何だ?!」となりました。ウェルメイド(しっかり作られた)ホラーよりクセのある方が好きです。

――例えば「悪魔のいけにえ」のような?

カン・ドンウォン:いや、そういうのじゃなくて…(笑)。ホラーはウェルメイドだと、なぜか怖くなくて、伝わってこないんです。飛ぶような感じがあった方が好き。非科学的なことをあまり信じないんです。論理的に説明できないとダメなんです。「キャビン」が良かったのは、発想自体が論理的だったからです。皆、全世界に霊がいるって言いますけど、1ヶ所に集まってるから、理屈に合うんだと思いました。

写真=ワーナー・ブラザース・コリア

――原作アニメ「人狼」の主人公“伏一貴”と今回の作品の“イム・ジュンギョン”はイメージが違います。さらに強化服を着て登場する時も、アニメーションと実写の違いでなく、雰囲気自体が明確に異なりました。キャラクターを描く時、原作を参考にしたのか、それとも差を出そうとしたのですか?

カン・ドンウォン:2012年に監督に誘われた時、原作を見ました。たぶん、以前大学生の時に見たような気もします。マンガは好んで読みますが、アニメはそんなにわざわざ見る方ではないんです。ひとまず原作の伏一貴はおじさんっぽかったです(笑)。

――先立ってキム・ジウン監督をインタビューした時、伏一貴がカン・ドンウォンでなく、キム監督に似ていると言ったのですが、なぜか失礼を犯した気分です。

カン・ドンウォン:(笑)とても参考にしようとしました。ストーリーラインも違うところが多いのに、キャラクターまで違ったら、原作のファンが嫌がりそうでした。また、人物が持っている葛藤はほとんど同じです。なので、最大限似させるように持っていこうとしました。監督はもう少しダイナミックな感情を望んだようでしたが、僕はもう少し冷たく行こうとしました。

――南山(ナムサン)ソウルタワーと続く場面で、身体を張ったアクションが印象的でした。イム・ジュンギョンという人物に感情移入して、やるせない気持ちになりました。

カン・ドンウォン:イム・ジュンギョンは人間兵器として育てられました。本来、特殊軍人のような職業をしていた人だったのではないでしょうか? 特技隊員として来て人を殺すことになって、良心の呵責を感じて揺れる人物だと思いました。アクションする時もそのような感じがあったのではないかと思います。

――40kgにもなる強化服を着たままでの演技は大変ではなかったですか?

カン・ドンウォン:例えば、ダンサーや音楽する人が身体を動かす時、演技しないことはないんです。なぜなら、そのような感情を持ってこそ、そのような動きが出てきます。いくら強化服の中にいても、そのような感情を持っていなければ、そのような動きが出てきません。ただ少し違った点は、強化服が若干の動きがあるので、そういうことを表現しようとしました。

写真=ワーナー・ブラザース・コリア

――アクションをする時、踊るように描かれる“カン・ドンウォンの線”があります。ひょっとして踊りを習ったことがありますか?

カン・ドンウォン:5ヶ月程、現代舞踊を習いました。映画「デュエリスト」のために。その時、ものすごくハードに習いました。基本が腹筋1000回をしてから始めるシステムでした。長く練習する時は、1日にだいたい10時間、12時間もしました。舞踊で鍛練された身体ではないので、その舞踊ができる身体を作ることから始めました。実際にアクションを思い浮かべる時、撃ち合いをするのが全てだと思えますが、アクションもすべて感情だと思います。アクションも1つの感情、1つの演技です。

――舞踊を習った経験が、演技で根っこを下ろしたようですが。

カン・ドンウォン:問題があるんです。舞踊で基本を固めてアクションをしてるので、代役が見つからないんです。動きが全然違うので。後ろ姿が出る時は、危険だから普通は代役を使うのに、僕はすべて自分でしなければならないんです。最大限にアクションをする時間を減らせば負傷も減るのに、後ろ姿すら代わる代役もいないんです。

――最近5年間、1年に2作のペースでスクリーンで会えますね。映画に対する情熱なしでは不可能なスケジュールではないですか?

カン・ドンウォン:なので広告はたくさんしないようにしています。映画を最大限たくさん撮るために、露出を最大限減らします。俳優は演技を続けてこそ、演技が上達します。でも最近は、映画を1作撮ると俳優としてすべき仕事が多くなりました。宣伝が多くなって、露出が多くなったんです。観客がちょっと気になってこそ、劇場にやって来るのに……。そんなところが気がかりです。

 記者 : パク・ミヨン、翻訳 : 藤本くみ子