「完璧な他人」イ・ソジン“1ヶ月間共にした俳優たち…記憶にずっと残るだろう”

写真=ロッテエンターテインメント

ここ数年テレビで“芸能人”イ・ソジンの存在感は独歩的だ。MBCドラマ「チェオクの剣」で演出者と俳優として会ったイ・ジェギュ監督は、イ・ソジンをブラウン管からスクリーンに呼んだ。そして束草(ソクチョ)出身の40年来の知人が夫婦同伴の一つのテーブルに座った。ユ・ヘジン、チョ・ジヌン、ヨム・ジョンア、キム・ジス、ソン・ハユン、ユン・ギョンホ、そしてイ・ソジンまで、7人の俳優はすばらしい演技でテーブルを、いやスクリーンをいっぱいにした。「完璧な他人」で愛が溢れる花の中年、レストラン社長ジュンモに扮したイ・ソジンに、ソウル昭格洞(ソギョクドン)のあるカフェで出会った。

――はじめからジュンモ役でキャスティングされたんですか?

イ・ソジン:初めてシナリオをもらったときは、自分がジュンモ役だとは知らずに読みました。演出が非常に重要で、年代のある役割なので、熟練した俳優が演じなければならないシナリオだと思いました。弁護士や医者の役じゃなければいいと思いました。家庭生活も熟年夫婦の設定なので、僕がうまく演じられる役柄ではないと思いました。

――俳優として似たようなイメージについて悩んだりしますか?

イ・ソジン:イメージに対する悩みはありません。実は年を取ってから役が変わり続ける時期です。これからはもっとやりたい役に集中したいです。たとえ主人公ではなくてもです。

――たくさんの作品に出演される方ではありませんが、作品を選ぶ際の基準はありますか?

イ・ソジン:やりたいことを選ぶのに時間がとてもかかります。まずは演出を非常に重要視します。いったん始めると、監督を信じていくスタイルです。台本も当然重要ですが、どの監督に会うかによって変わるからです。

――ドラマ現場と映画現場のイ・ジェギュ監督は違いがありましたか?

イ・ソジン:「チェオクの剣」以降もよく交流を続けてきて、今回一緒に仕事をすることになりました。演出がとても上手いと映画を見ながら感じました。イ・ジェギュ監督が昔はとても神経質でしたが、年を取ったせいか、より余裕が生まれました。僕がイ・ジェギュ監督が好きな理由の一つは、自分の中に考えていることを、無条件にしなければならないタイプだからです。自分の頭の中に絵コンテがはっきりしている監督なので、俳優としてとても仕事をしやすいです。

――イントロが子供時代の束草(ソクチョ)で月食を見る場面です。夜の場面なので薄暗いし、子供たちが大勢いるため、誰が誰なのかはわかりませんが、幼いジュンモは誰なのかはっきりマッチしますね。

イ・ソジン:(笑)。試写会で映画を初めて見たのですが、ヨム・ジョンアさんが「あの子がソジンさんね」と言ったんです。実は僕たちも自分の子役が誰なのか知りませんでした。でもジュンモは誰もがはっきりとわかりましたね。

――コンプレックスも見栄もあるジュンモが女性たちの愛を一身に受ける圧倒的な魅力は何でしょうか?

イ・ソジン:ジュンモは女性たちを最大限気楽にして、目線を合わせてあげる男性のようです。その女性が望む男性像になってあげるんです。でも後処理や収拾が得意な人ではありません。頭の良いスタイルではありませんね(笑)。

――映画の中で妻役だったソン・ハユンとの呼吸はどうでしたか?

イ・ソジン:バランスが良かったです。僕はいつもダウンしているスタイルで、ハユンはいつもアップしているスタイルなので(笑)。演技をしている時もずっと楽でした。

――束草の名物であるイカスンデ、タッカンジョン、スケソウダラの刺身の和え物、牛の骨スープなどが出てきます。もちろん美味しい食べ物ですが、同じシーンを何回も撮る俳優にとって、食べることが大変ではありませんでしたか?

イ・ソジン:シーンをあらかじめ撮っておくことができない、順番に撮らなければならない撮影でした。それで写真を撮って同じようにセッティングしました。俳優たちも自分の前の皿に何があったかチェックして。最初はみんなよく食べましたが、後で少し大変でした。ギョンホは僕たちの中で一番年下だったので、食べ過ぎてお腹を壊していました。

――年代の近い俳優同士だからか、お互いに調和した現場がほのぼのしていますね。

イ・ソジン:台本の練習をたくさんしながら親しくなりました。全羅道(チョルラド)の光州(クァンジュ)で本格的にセット撮影に入って、1ヶ月間一緒に過ごしました。とても息が合いました。皆演技がとても上手な俳優なので、これが撮影なのか実際なのかわからなくなるほどでした。みんな一つのテーブルで起きることなのに隙間があってはならないという心配はしていました。

――映画の面白さを確かに表現されたんですね。

イ・ソジン:本当に楽しく撮影しました。実際俳優が一つの作品をしていても、毎日会うことはあまりありません。1ヶ月間ずっと一緒に過ごしたこの記憶は、いつまでも残りそうです。この作品に参加した俳優たちとはなにか目に見えない絆が生まれたと思います。数ヶ月会わなくても、ついこの間会ったような感じがします。

――俳優同士の“殴り合い”も本当に息が合ってました。「完璧な他人」を原作とした演劇やミュージカルが出てくるのではないかと思うほどです。

イ・ソジン:撮影の時より映画がもっとよく出来ていました。音楽も入ったりして。だから演劇になっても映画ほど面白くなるかはわかりません。

――大親友ハン・ジミンの「ミス・ペク」が先駆けて公開されました。照れ臭いコメントは嫌だというのは知っていますが、応援メッセージをお願いします。

イ・ソジン:うまくいっているのではないでしょうか。「完璧な他人」が公開されるまでうまくいって欲しいですね (笑)。「三食ごはん」を見て感じました。ジョンヒョク(神話 エリック)と僕では態度が違います。僕にはいつもぶつぶつ言ってばかりで、お兄さんとも呼んでくれないんです。僕を楽に思っているみたいです。実は僕とジミンは似ているところが少しあります。

――2人は本当に“現実での親友”みたいですね。

イ・ソジン:ドラマ撮影で一番長く一緒にした仲です。僕も元々いたずらをよくするけど、ジミンさんも同じくらいいたずらをします。それでお互いにすごくふざけあったりして……(笑)。ジミンさんは大ざっぱです。

――実はバラエティ番組でイ・ソジンを見ると、「人間劇場」を見ているような気分になります。喜怒哀楽がはっきりとされてますよね。

イ・ソジン:(笑)そうですね。ドキュメンタリーです。

――もし「花よりおじいさん」が何年も続く長寿番組になったら、おじいさんの立場で共演したいメンバーはいますか?

イ・ソジン:実際僕は行ってはいけないと思います。僕がやってみたので、若いメンバーが来たらその子をいじめることになると思います。とてもよく分かるから……(笑)。周りの人々の中でメンバーを推薦するなら、キム・グァンギュさん。グァンギュさんはすごく土俗的な人なので、ヨーロッパのような場所に行くならケアが必要だと思います。

 記者 : パク・ミヨン、翻訳 : 浅野わかな