【CLOSE UP】チュウォン ― 直球を投げる青春

【CLOSE UP】チュウォン ― 直球を投げる青春

写真=TENASIA

未だにチュウォンより“ク・マジュン”という名前で親しまれている。「三種類あります。マジュン、テジョ、そして僕がタックを呼ぶ時の“あの野郎”(笑)」当然のことである。名前も顔も知られていない二十歳の新人俳優が、KBS「製パン王キム・タック」の主演に選ばれたことや、新人であるユン・シユンが主人公のキム・タック役を演じた同作品の視聴率が、50%を行き来する大ヒット作になるとは誰も思わなかった。
「理由がなくても堂々としなさい」という話を繰り返し考えながら

【CLOSE UP】チュウォン ― 直球を投げる青春

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しかし、もしかしたらチュウォンは、ク・マジュン役との出会いを誰よりも自然に受け入れたのかもしれない。

「最初に物語のあらすじと台本を読んだ時“本当の悪役ではない”と感じました。ソ・インスク(チョン・インファ)とハン・スンジェ(チョン・ソンモ)はこんなにも哀れなのに、悪役と言えるだろうかと考えてみました。そして、マジュンの話もそうでした。この子がこれからどれだけ厳しい人生を生きて行くのだろうかと考えると、とても心が痛かったです」

欲望で壊れていく母と自分から遠ざかる父、心を開いてくれない恋人のせいで孤立し、挙句の果てにはタックをいじめ、陰謀に巻き込もうとするマジュンのキャラクターは、ドラマ初挑戦で演じるには決して簡単ではない役だった。しかし、脚本を担当したカン・ウンギョンの「できるよね」という言葉に躊躇することなく「できます」と答えた。

「新しいことが起きた時、怖がる必要はないと思います。それが上手く行くかどうかは、一か八かやってみるしかない。頭の中で“上手くできるかな”と考えた時、自信がなかったらやれることでもできなくなるから」

女優ムン・ソリが言っていた「理由がなくても堂々としなさい」という言葉に共感して、携帯の背景画面にその文章を書いて、忘れないように努力していたというチュウォン。しかし、彼は最初からこのように強い性格ではなかったようだ。中学時代、誰よりも背が高かったにも関わらず、気が弱く、内気だった彼を心配した両親が、演劇部への入部を薦め、「グッド・ドクター」で初めて警察役を演じ、学園祭の舞台に立った。その日、チュウォンは進路を決めた。

「僕が話す時に笑ってくれなかった人たちが、セリフを言ったら笑うんです。あ、これって面白いんだ。もっと頑張ろう!と思いました」
「20代の情熱を見せられるキャラクターを演じてみたいです」

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大学に入りミュージカルを始め、去年「Spring Awakening(春の目覚め)」でキム・ムヨルに続きメルキー役を獲得するまで、チュウォンを動かしたのは、衰えを知らない情熱だった。役を獲得できるかどうか分からない状況だったが、彼はキム・ムヨルの公演を約80回もチェックした。

「ムヨルさんが演じたメルキー役を参考に、良いところは僕も同じような方法を考えてみよう。あれはちょっと違う方法で演じてみよう。このような内容を毎日ノートに書き込んで、家に帰って練習しました。その時、また感じました。あ、楽しい!(笑)」

疲れを知らない、茶目っ気ある表情で、初めて経験するドラマの撮影システムの難しさも、地方ロケと徹夜が続いた撮影現場も「本当に楽しかったです!」と話す楽天的な性格は、ク・マジュンよりはキム・タックに似ている。

「マジュンを演じているから、僕の中でキャラクターを最大限に正当化させようと努力したが、時々マジュンは幼稚な時があるんです。悪いことをしておいて『タックがやりました』と告げ口した時は、そんなことを言う自分が悲しかったです(笑) 頭の中では『マジュン、これは間違っているよ』と思いつつ、マジュンの行動も理解できるので激しく悩みました。だけど、実際のマジュンもそうだったと思います」

台本を理解する時も、キャラクターを研究する時も、自分の話をする時も、飾り気のない態度が最も印象的だったチュウォンが、今後演じたい人物について「まだ決めてはいないけど、20代の情熱を見せられるキャラクター」と話した。これは、彼が誰よりも自分の可能性を信じていることを表しているだろう。突然のスポットライトに怖気づくこともなく、見えない未来も計算しない。目標に向かって突き進む若さは純粋であり、彼の青春はやはり直球勝負である。
記者 : チェ・ジウン、写真 : チェ・ギウォン、編集 : イ・ジヘ、翻訳 : チェ・ユンジョン